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■御食国若狭おばま「キッズキッチン」見学記■



2006年9月、食育では全国的に有名な、福井県小浜市の「キッズキッチン」を見学しました(*1)。

小浜市は、福井県の南西部、ちょうど若狭湾のほぼ中央に位置しています。人口は約3万3千人。飛鳥、奈良時代に、伊勢、志摩と並んで朝廷に食を供給していた「御食国(みけつくに)」としての歴史があります。また、平安時代には、「若狭もの」という呼び名で京の食卓を支えていました。

小浜市では、こうした伝統ある食文化に着目して食のまちづくりを進めていて、2003年からキッズキッチンという子ども向け料理教室を行っています。キッズキッチンは、よくある親子料理教室や親のお手伝いではなく、保護者は一切手を出さず、子どもの手だけで料理を作っていくものです。

この日は、幼稚園年長組21人が参加する基礎編。幼稚園の行事に組み込まれていて、全員参加。キッズキッチンはこのほかに拡大編があり、魚のおろし方などワンランク上の内容で、休日にやっていて自由参加です。

会場は、港に面した「御食国若狭おばま食文化館」1階のキッチンスタジオ。食育専用の施設です。担当する講師は、食育サポーター(*2)7人。小浜市の担当の方もついていて、進行をコントロール。

10時とともに、園児が入場。幼稚園の先生と保護者は、外から見守ります。エプロン、三角巾をつけて準備。手洗いをします。準備が終わった子から5つの調理台につきます。

キッズキッチン
講師から保護者に注意事項として、スタジオ内に入らないこと、手出しをしないことが説明されました。

園児に今日使う食材の説明。
「この中で、おダシの出るものはなんですか?」
なかなか答えがでないけど、一人の園児が昆布を指差します。
「そうですね、もうひとつあります。何ですか?」
答えが出たところで、ジャコと昆布を鍋に入れて、火をつけます。

その後、包丁の使い方の説明。キッズキッチンの教え方は、とにかく安全第一。大人の包丁の使い方とちょっと違います。たとえば長ネギのきり方。左手は「ネコさんの手」にして、長ネギの左端を押さえて、右の一番遠い方から順に切っていきます。
カボチャなどの硬いものは、包丁の上に左手を乗せてシュワッチの形(*3)。体重をかけて切ります。

会場
今日のメニューは、@具だくさんの味噌汁、Aインゲンのごま和え、B羽釜で炊いたご飯、Cデザート(梨)。@とAは園児が作り、C、Dはスタッフが作ります。

園児が料理を始めると、保護者はハラハラドキドキ、声をかけてしまう場面もあります。特に、豆腐を手のひらにのせて包丁で切る場面では、思わず息を飲んで、うまくいくと「ほーっ」とため息が・・・ キッズキッチンでは、とにかく子どもたちだけで料理をしていきます。このプログラムは、坂本廣子さん(*4)の指導でできたものです。

料理が終わるころ、羽釜で炊いたご飯ができあがりました。講師は園児を呼んで、お釜を開けます。白い湯気とともに、いい匂いが。後で遊々も試食させていただきましたが、とてもおいしいご飯でした。

料理が終わったところで、初めて保護者がスタジオ内に入ることが許されます。子どもと一緒に試食。

講師のことば。
「お母さんがた、お味はどうですか? 子どもが自分たちで作ったので、おいしいと思います。今日は、おうちに帰ったら、すごく、すごくほめてあげてください」

2時間のキッズキッチンでしたが、始まる前とは子どもの表情がぜんぜん違います。終わった後は自信に満ちているよう。保護者の方もわが子の成長が実感できたのではないかと思います(*5)。

小浜市の子ども、そして保護者は本当に幸せだなあと思った2時間でした。食育に関心をもってから、テレビでキッズキッチンを見て、インターネットで調べました。コンセプト、運営方法はネットで見たとおりでしたが、現場を見ることの良さは、実際に同じ空気を吸って、子どもの表情、保護者の心の動きがじかに感じられることです。
キッズキッチンのスタッフのみなさん、ありがとうございました。


*1 旅行の途中で立ち寄りました。

*2 2003年度から2005年度までは、ボランティア。2006年度からは小浜市からの委託とのことでした。

*3 ご存知、ウルトラマンがスペシウム光線を発射するときの形。

*4 NHK教育テレビ「まいちゃんのひとりでできるもん」の監修者。

*5 本当に皆さんいい表情をしていました。




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