料理遊々
料理遊々トップページ料理のこと>料理とエントロピー



TOP

料理のこと

食事会

味の話

食育

陶芸修行

おすすめレシピ

店主プロフィール

LINK


掲示板

料理のこと

■料理とエントロピー■



料理を趣味にしてから、時々「へえー」とか「なるほど!」と思うことに出会います。
その一つが、煮物を作って、冷ますと食材に味がしみ込むというものです。確かにグツグツ、コトコト長時間煮ているより、一度、冷ましたほうが味が入ります。

この間、スープカレーを試作したときに、スパイスを15種類くらい入れて作り、「さあ味見」と思ったら、なぜかおいしくない。味がバラバラで、一生懸命ひいたフォン(*1)のうま味が、辛さとケンカしていて、打ち消されているんです。あら〜 これはイメージした味と全然違っていて、見事な失敗作だと思い、次の日捨てようとしました。捨てる前に味見・・・・・ なんということでしょう!(*2) 大変身していて、「うま味」が前面に出ていました。1晩置いただけで、こんなに味が変わるなんて、鍋の中でどんな変化が???

スープカレー
おいしくなったスープカレー

こういうとき、眠れなくなるのが遊々。通勤途中(車通勤なので、ちょっと危険)や仕事中(失礼)につらつら考えていて、思い当たったのが20年くらい前に読んだ本でした。

当時、ちょっと凝っていたのが「エントロピー」。物理学の話なんですが、気に入ってしまって何冊か関係の本(*3)を読みました。

物理学と料理、何の関係があるのでしょうか。この後は理数系が苦手な方はちょっと難しいかもしれません。強引なこじつけでもありますので、適当に読み飛ばしてください(*4)。

熱力学の第2法則で「エントロピー増大の法則」というものがあります。ちなみに第1法則は「エネルギー不滅の法則」(*5)。「エントロピー」とは耳慣れないことばですが、どんなものでしょうか。それは「でたらめさ」とか「複雑さ」を指す概念。

例えば、ある空間に分子があるとした場合、A図はエントロピーが小さい状態です。A図よりB図の方が少し複雑になっているので、エントロピーは大きい状態です。C図となると、規則性はほとんどない状態なので、エントロピーはさらに大きくなります。どうですか、少しエントロピーがわかってきましたか。

エントロピー小 エントロピー中 エントロピー大
<A図> <B図> <C図>

エントロピーは、物理学だけでなく、情報系にも応用されています。複雑な情報ほど「エントロピーが大きい」ということになります。これがエントロピーの一般論。


*1 フランス料理の出汁(だし)。フォン・ド・ボーなどいろいろな種類があります。

*2 もう終わってしまったけど、住宅リフォームのテレビ番組、「劇的ビフォーアフター」のナレーション。加藤みどりさんの声で。

*3 もちろん専門書ではなく、講談社のブルーバックス。

*4 いつもどおり「うろ覚え」で書いています。

*5 これは知っている人、多いですよね。「エネルギーは、その形態を変えることがあっても、全体としてその量は一定である」というもの。例えば、蒸気機関は熱エネルギーを運動エネルギーに変えていますが、エネルギーの量は変わりません。永久機関(無からエネルギーを作り出し、永遠に運動し続けるもの)があり得ないのは、この理論によるもの。



 戻る コンテンツのトップへ 次へ