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■スープカレー考■



2006年4月、エルプラザ(*1)内の料理実習室(*2)。道新文化センターの「スープカレー講座」の開始です。講師は、スープカレー専門店「L」のシェフ。

スープカレーは、札幌生まれの料理。その歴史は、たったの30年ほど(*3)です。

実は、この講座を受講するまで、スープカレーは一度しか食べたことはありません。しかも、とってもまずい店でした。そんな、スープカレー超初心者の遊々が、なぜこの講座を受講しようと思ったのでしょうか?
これまで、いろいろな料理を作ってきたのですが、なぜかエスニック料理は作ったことがなくて、2月に光塩・同窓会の研修会(*4)でベトナム料理を習ったのがきっかけで、エスニック料理をやってみたくなったのです。

そんなときに、道新文化センターのパンフレットを見ると、2回シリーズの講座(*5)が。早速、申し込みました。

作るのは定番のチキン・スープカレー。鶏モモ肉でスープをとって、玉ネギを炒めて、スパイスを加えて・・・ 流れるような手順で進んでいきます。同じ調理台についたのは、6人。皆さん、スープカレー通のようです。

できあがったスープカレーを試食してみると、うん、おいしい! この前食べたものよりは、はるかに料理らしくできあがっています(*6)。
この日は、一応、満足して、いつか自分でも作ってみようと思いました。

本格的に作ろうかと思い始めたのは、その年の秋。今度は、少し食べ歩きをしてみました。あまり多くの店を食べたわけではないのですが、おいしいとは思いつつも、いろいろと不満も出てきました。
歴史の浅い料理なので、まだ調理方法や食べ方が確立されていないのではという疑問もわいてきます。もっと、基礎的な調理方法を使えば、おいしくできそうな気になってきました。

<遊々が感じた不満>(*7)
@スープにうま味が出ていなくて、水っぽいものが多い。
A食べづらい(特に骨付き鶏モモが入っているもの)。スプーン、フォーク、ナイフの3つを使って食べるのは無理。
B量が多い。ライスとスープでお腹いっぱい。そして高い。せいぜい800円くらいにしてほしい。
Cそもそも「スープカレー」というネーミングが変。「スパイス・スープ」では。
D具材にもひと工夫ほしい。

そこで、水野仁輔さんという方が書いた「スープカレー・キッチン」という本をもとに、スープカレー作りに挑戦。

最初の試作では、スープのうま味と辛味がケンカしたこと(*9)とカレーっぽくなって失敗。2回目は、トマトを加えたもの、加えないものなど3種類作り、結局、フレッシュトマトを使ったものに決定。定番の「鶏モモ肉と野菜のスープカレー」のレシピを完成させました。

<この料理のコンセプト>
@スープには、フランス料理のフォン・ブラン(*8)を使い、うま味を十分出す。
Aカレーっぽくしない。トマトベース(*10)で、イタリアンとフレンチの調理方法を使う。
Bスープをなめらかにするために、ミキサーにかけてこす。
C具材も工夫して、食べやすく。鶏モモ肉は一度焼いてから軽く煮込む。一口大に切って、ナイフは使わない。ナスをやめて、ズッキーニに。
Dおしゃれに、見た目も美しく。上に白髪ネギを載せ、パプリカのシズレ(*11)を散らす。

スープカレー
新作スープカレー


年が明けて、2007年1月に試食会。集まった皆さんに食べていただきましたが、おおむね好評だったようです。

今回作ったものが、世間でいわれる「スープカレー」にあたるかどうか怪しいのですが、間違いなく遊々流「主張するスープカレー」だったと思います。
まだまだ改良の余地がある料理ですが、コンセプトから考えていって、提供できる料理に仕上げていく、この楽しさが味わえてとてもよかったと思っています。


*1 「札幌市男女共同参画センター」の愛称。

*2 この料理実習室がひどい! 電磁調理器で、混合栓がないうえに、油汚れが全然落ちない洗剤という、およそ料理をしたことがない、自然派志向の人が作った実習室。

*3 「スープカレー」という名称ができたのは、1990年代だそうです。

*4 講師は、中国料理のH先生。「ベトナム風鶏の唐揚げ」や「フォー」を習いました。

*5 残念ながら、2回目は仕事の都合で参加できませんでした。

*6 多分、この講座では、家庭でもできるように、スパイスの種類を減らし、調理方法も簡単なものにしていたのではないかと思っています。

*7 すみません。初心者なのにこんなに書いて。お店の方、許してください。

*8 「白い出汁(だし)」という意味。今回は手羽を使い、野菜やハープを加えて、4時間くらい弱火で煮出したものを使用。

*9 このエピソードは「料理とエントロピー」「おでんと机の上の関係」をご覧ください。

*10 トマトのグルタミン酸のうま味を利用しています。

*11 野菜を1mm角くらいに切ったもの。



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