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■料理上手への道■



いい料理ってなんでしょうか。おいしい料理? 体にいい料理? みんなが幸せになれる料理? きっとそのすべてなのでしょう。

料理を始めたころは、自分の好きな料理が載っているレシピ本を買ってきて、その中からいくつか作ってみる。食べる。満足する。そんなことの繰り返しでした。

もっと、基礎的な勉強をしたくて、調理師学校に入学。卒業してからも料理の勉強は続いています。陶芸の「芸風」とまではいきませんが、少しだけ自分の料理のスタイルができつつあります。
そんな遊々が考える、家庭で料理上手になるための近道を書いてみます。

■包丁を正しく使う
「刀は武士の命」ほどではありませんが、包丁が正しく使えることがよい料理人の第一歩。基本をしっかりと身につけましょう。

ところが、家庭用の料理本には、正しい包丁の使い方を書いた本が見あたりません(*1)。ごく簡単に、正しい包丁使いを書いてみます。

調理台の手前に合わせて、まな板を置きます。立ち位置は、まな板の真ん中くらい。体と調理台の間は、握り拳一個分。(右ききの場合)右足を一歩引きます(*2)。

次に包丁の持ち方。刃の一番下(柄側)を、人差し指の第二関節(やや第一間接寄り)と親指の先で挟むよう持ちます。あとの3本の指は、軽く柄を握ります。

包丁の持ち方・表 裏
包丁の持ち方・表

左手の中に卵を持つようなイメージで、指先を丸めて食材の上を押さえます。このとき、親指は人差し指の腹につけています(*3)。人差し指と中指に包丁を当てます。包丁は、まな板と直角に。包丁の背をほんの少し右に傾けます(*4)。

左手の形 切り方
左手の形 切り方

この体制で肩の力を抜いて、リズミカルに切っていきます。切るたびに左手の指先をつけたまま、第二間接を持ち上げるようにすると、刃先が少しずつ左に寄っていくので、これで切る厚さを調整します。左手第二間接がもう持ち上げられなくなったら、今度は左手の指先を左にずらして、もとの手の形にもどります。
これが、包丁使いの基本です。

へぎ切り
へぎ切り

次は「へぎ切り」をマスター。
人参を薄く切っていくと、幅が細くなって最後の2〜3枚が切りづらい。そんなときは、人参を横に倒して、左手人差し指と中指を人参に乗せて、指先を少し出します。他の指は上げておきます。人差し指と中指の下に横から包丁を当て、切る幅を調節して包丁を前に2から3回押し出して切ります。これが、へぎ切り。この切り方ができるようになると、包丁がかなり使えるようになります(*5)。



■出汁(だし)と調味料
味付けが上達する一番の近道は、キッチンからうま味調味料を一掃することなのですが、これがなかなか難しい。忙しい人なら、料理のたびに出汁をとることもままならないでしょう。
それと、固形スープや顆粒の鶏ガラスープなど、加工食品のほとんどにうま味調味料が入っていると思っていいので、それらを使わないというのもなかなか・・・
家族がうま味調味料に慣れていると、きちっと引いた出汁では最初は物足りなく感じる人もいると思います。
でも、そこを一歩踏み出すと、新しい世界が待っています。

<遊々の方法>
休日に昆布とカツオ節で引いた出汁を1週間分作ります。これは、主に煮物用。冷蔵庫で1週間持ちます。香りは飛ぶけれど、味はそんなには落ちません。
毎日のみそ汁だけは、だし入り味噌で我慢します。

このやり方で、自然の出汁に慣れると、今度はうま味調味料の味に敏感になります。「おふくろの味」が忘れられない男性も、結婚して少したつと奥さんの味に慣らされるのと同じです。これであなたの舌は健全に。

もう一つは、食材にお金をかけるより、きちんとした調味料をそろえた方がベターというお話。
例えば、塩ひとつとっても、精製塩と自然塩では味に大差があります。醤油、酢、みりんも同様。少し高くても、自然の製法で時間をかけて作ったものの方が、味が格段によくなります。

中国料理やエスニック料理の調味料、スパイス類もなるべくそろえておきたいものです。調味料は、一度に大量に使うわけではないので、それほど負担にはならないはず(*7)。

  <遊々がいま使っている調味料>

いろいろ使ってみて、結局「伯方の塩」に落ち着きました。味にクセがないのと、手に入りやすいから。そのままでは、湿気があって使いづらい(*6)ので、フライパンでから煎りして、焼き塩にして使っています。
濃い口醤油 ヒゲタの「本膳」が気に入っています。す〜ごくおいしい! 小瓶は高いので、一升瓶で買っています。
薄口醤油 スーパーで普通に売っているものを使っていましたが、この間、ヒガシマルというメーカーのものを手に入れたので、これからはそれを使います。
砂糖 一般的なグラニュー糖。上白糖を使わないのは、湿気があって使いづらいから。
メーカーは決めてませんが、純米酢です。合成酢だけはやめてください。くどくて、変な味。
みりん メーカーは決めてませんが、本みりん。「みりん風調味料」というのは、みりんではなく化学的に作ったもの。合成酢と同じく、変な味。


■料理の手順
夕食を食べるために、夕方から料理を作り始めて、4品くらい作って食べる。当たり前のようですが、そこからステップアップ。

食材を切って煮る(あるいは焼く)という、1行程で終わる料理より、焼いたものを煮る、下煮したものをまた煮る、というふうに何行程かかけたものを作るようになると、料理の幅がぐっと広がるものです。煮物なんか、前の日から作り始めたほうがおいしいものが多いんです。トータルすると、作っている時間はそんなに変わりません。一手間、二手間が勝負です。

下ごしらえができるようになりましょう。
例えば、青物の湯がき方。@ホウレンソウを洗って、根を落とし、塩少々を入れた湯で湯がく(色出し)。A冷水にとって(色止め)、軽く絞る。
文章で書くと簡単に見えますが、実はホウレンソウのシャキシャキ感と緑色をしっかりと残すのはかなり難しい。こういうちょっとしたことを、いい加減にしないのが料理上手。

もう少し上達したら、今度は時間配分。4品の料理を作るとしたら、4つができあがる時間をそろえます。時間の引き算をしながら、一番時間がかかる調理から開始。いろいろ入り乱れて作っていって、最後にドンぴしゃとなれば大成功。シングルタスクではなく、マルチタスク(*8)が要求されます。これも経験かな。

■キッチンはきちんと
男性が料理を趣味にして、嫌われる理由のナンバー・ワンは、後かたづけをしないこと。「料理上手」イコール「片づけ上手」と心得るべし。

なんて、そんな大げさなものじゃなくて、片づけながら料理を作らないと、台所がぐちゃぐちゃになって使いづらいから。料理と同時進行で片づけていきます。煮物を作りながら、洗い物をする。体が自然にこう反応するようになれば、きちっと片づいた台所になります(*9)。

理想は、料理ができあがったときに、鍋と器だけ残っていて、使った調理道具は洗ってカゴに入っている状態。料理上手さんのキッチンは、見ただけでわかります。

■料理は愛情
いつも書いているので、もう「耳たこ」だと思いますが、自分で作って自分で食べる料理は緊張感がなくて上達しません。他人のために作ってこそ料理が上手くなります。

家族や好きな人のための料理ならもっとよい。「愛情」という調味料を上回る味付けはありません。


*1 ご存じのとおり、遊々が調理師学校に行こうと思ったのはこれが原因。

*2 包丁を持つ右手が自由に使えるようにするため。

*3 親指が、人差し指より前に出ないようにする。こうすると親指を切ることがない。

*4 右に傾けると、連続して切ったときに、切った食材が右側に倒れます。逆に、左側に傾けると、包丁を越えて左に倒れてやりずらい。

*5 中国料理では、最初からへぎ切りで切り始めることが多い。

*6 長い期間置くと固まるし、さらさらしていないので、微妙な塩加減がやりづらい。

*7 ただし、そろえすぎて期限切れが多発するのが悩み。

*8 コンピューター用語。「シングルタスク」は一度に一つの仕事しかできないこと。「マルチタスク」は同時に複数の仕事ができること。

*9 
実は、調理師学校に行って、一番上達したのが洗い物。なぜかというと、調理実習のとき、後かたづけが終わった班から早く帰れるからです。



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