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■生きた魚を知っている■



料理を志す(*1)前の趣味は魚釣りでした。始めたのは1993年ごろだったと思います。

きっかけはキャンプ。海にキャンプに行ったときに、釣りでもしてみようかなと、安い投げ竿セットを2つ買ってやってみると、小さいカレイが数匹釣れたのがとても面白くて、それで土日に釣りに出かける回数が増え始めました。

釣りは、舟釣りと陸からの釣りに分かれますが、北海道では陸からの釣りが人気で、その中でも投げ釣りが主流。別名ぶっこみ釣りと言われるもので、4メートル前後の太い竿で、80~100メートルくらい投げて、そのままアタリ(*2)を待つというもの。その他に、港の岸壁からチカや小サバを狙うサビキ釣りや疑似餌を使うルアー釣り、ウキ釣りなどの釣り方があります。色々な釣り方があるので、道具も増えていきます。いつしか、釣りの道具箱がいっぱいに。

釣りに行って、ある程度の魚が釣れると、帰ってきてそれをさばきます。料理を始める前にもこうしたことをしていました。調理師学校に行って、魚を扱うときに戸惑わなかったのも、釣りというベースがあるからです。

例えば、ホッケのウキ釣りは、当たれば3ケタ釣ることも可能です。大名おろし(*3)とはいえ、100本もさばくとうまくもなります。

今でも年に数回釣りに出かけますが、魚料理をしていて強みだと感じるのは、生きた魚を知っていること。

釣り上げたばかりのクロガシラ


魚の棲んでいる場所(*4)、深さ(*5)がわかれば、生息環境がイメージできるし、触ったときの感触や筋肉の動きは、死んだ魚には無いものです。カレイを釣り上げて、頭をつかんだときに尻尾を振る感覚。ニシンをつかんだ時のウロコの剥がれ方。夜釣りでソイを釣り上げて、誤って背びれを刺してしまい、数日続く痛さ。釣り場では様々なことが起こります。

こうした経験が料理のするうえで、魚の扱い方や身の質や切り分け方に生かされています。何よりも、生きていた状態から、食卓に上るまでの魚の状態の変化が、体験として分かっているのが強みだと思っています。


*1 といっても趣味だけど。

*2 魚信のこと。魚が餌に食い付くと竿に出る反応。

*3 魚を三枚におろすときのやり方の一つ。ウロコ、頭、内臓を取った後、中骨に沿って頭側から包丁を入れて、一気に尾まで切り分けるやり方。通常の三枚おろしより簡単だけど、中骨に身が多く残る。

*4 釣りではポイントと言います。

*5 同じくタナ。



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