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■卒業前■



光塩に入って1年半、卒業が目の前に迫ってきました。あと少しの踏ん張りです。このころになると、卒業できるかどうか、卒業後どうするかという話題が多くなります。

私たちのクラスは、70人弱。内訳は男性3分の1、女性3分の2。女性のうち、半分は短大とのダブルスクール(*1)。おおまかにいうと、こんな感じです。卒業後、調理師の仕事を志望する人は、それほど多くなくて、半分には満たないと思います。3分の1くらいでしょうか。調理師志望の人は、既に昼間レストランなどで働いています。男性の若い子が多かったですね。

卒業前の夏には、難関の郊外実習があります。これは、1週間くらいホテルとかレストランに行って、現場で実習してくるものです。もちろん、これをこなさないと卒業できません。

事前に、実習をコーディネートしてくれるH先生からガイダンス(*2)があり、その後、実習先の希望を提出。希望は、@お店かホテルか、A料理の種別(日本料理、西洋料理、中国料理)で出します。

遊々は、ぼんやりと「将来、自分のお店を出したいな」という気持ちが芽生えてきたので、@お店、A日本料理、でお願いしました。H先生いわく「札幌で日本料理の店って、なかなか適当な所がないんだよねー 高級店と居酒屋クラスに分かれてしまって、その間があまりないんだ」とのこと。少しして、実習先が張り出されたボードを見ると、実習先は琴似の「升山」(しょうざん)という和食のお店でした。

升山
実習先の「味処升山」

実習が始まる前に、実習先に履歴書を持っていって、説明を受けますが、遊々はその前に友だちにつきあってもらって、営業中の店に行きました。下見とあいさつを兼ねて行ったのです。いってみるとびっくり! なんとお店はコの字型のオープンカウンターで、マスター(*3)のほかに働いている人が1人いましたが、客からすべて丸見えなんです。あそこで実習するかと思うと、あせっ・・・

実習は8日間、そのうち1日はお休みです。実習初日、ドキドキしながら親方にあいさつ。調理場のSさん、サービスの人たちにもあいさつ。親方は遊々より10歳くらい年下で、やりにくかったと思います。

まずは、仕込みから。大根おろしを作ったり、魚介類の仕込みをします。大根の皮をむくときに、包丁でむくのですが、学校と全然違う包丁の使い方を教えられ、しかも親方の隣でやるので、すごく緊張します。包丁を握ってあんなに緊張したのは初めて。2日目に親指を切ってしまい、親方に手当てしてもらいました。

午後5時には店が開店します。開店後はSさんの隣で、盛り付けや調理の手伝い。学生の技術ではできることはあまりありません。洗いものをしながら、Sさんの動きを見ています。この年はものすごく暑い夏で、実習中がピーク。そのせいかお客様が少ないとのこと。親方もSさん恐縮していましたが、最終日に突如お店が込みだしてフル回転し、実習時間を延長して対応しました。

過ぎてしまえば、あっという間の8日間。体力も気力も使い切りましたが、調理と関係ない仕事をしている身としては、とても貴重な体験でした。親方にもSさんにも丁寧に指導していただき、とても感謝しています。

卒業前の最後の難関は、技術考査。調理師の資格を取った後、実務経験を重ねると専門調理師(*4)という1ランク上の資格をとることができるのですが、技術考査に合格していると、専門調理師の学科が免除されるというもの。しかも、技術考査は専門学校を卒業するときだけのワンチャンスなんです。技術考査が近づくと、講義は受験対策の内容になり、問題集の解説に力が入ります。

試験は光塩で行われ、マークシート方式でした。各科目とも分からない問題が何問かありましたが、大体は問題集にあった問題ばかり。何とかなりそうです。

結果は、卒業後届きましたが、無事合格。いつの日か調理場に入れれば、その6年後には専門調理師の受験資格が生まれます(*5)。


*1 昼間短大に通い、夜は専門学校で学ぶ人たち。短大の食物栄養科が多い。卒業すると、栄養士と調理師の資格が取れます。

*2 H先生は、このようなときは非常に厳しく、実習の心構えなどを話します。でも、相談しに部屋にいくと、やさしい笑顔で対応してくれます。

*3 日本料理の板場では「親方」といいます。「味いちもんめ」の世界が、ここにはありました。

*4 調理師学校卒業者は、6年の実務経験が必要。そのうち、調理師となってからの実務経験は3年以上必要。試験は、日本料理、すし料理、麺料理、西洋料理、中国料理、給食用特殊料理に分かれている。

*5 遊々の場合は、あまり意味のない試験ですが・・・



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