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■十坪九席その3・オペレーションの秘訣■



「そば処酔いどころ まちや」。2015年暮れに開店した十坪九席の小体(こてい)なそば屋ですが、一人で営業するにはそれなりの工夫が・・・。

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オペレーションとは、一般的に(機械などを)操作するとか運行するという意味がありますが、飲食店の場合はちょっと違っていて「作業の手順」(*1)のことをいいます。それは調理(キッチン)、接客(ホール)、食材の管理と細分化されているのですが、遊々の場合は、これらを一人で担当しますので、ここでは主に調理のオペレーションについて書いていこうと思います。

コールドテーブルの上
主に調理を行うコールドテーブルの上
雑然としているように見えますが、実は機能的な配置


お客様が来店するとお水を持って行き、オーダーを聞いて会計伝票に記入したところから調理のオペレーションが開始。一定のクオリティ料理を、いかに早くお客様にお出しするかが勝負になります。

■歩く距離を少なくする
いかに早く料理を作るか、答えは移動距離の短縮にあります。

これに気づいたのは、以前の居酒屋時代のこと。ある料理人が書いた本を読んでいたら、「修行時代は、空手(からて)で帰ってきたら怒鳴られた」という記述がありました。食材を冷蔵庫に持っていって、そのまま帰って来たら怒られたそうです。

つまり、帰りには何かを持ってきなさいということ。そうすると、一動作短縮できるのです。これを意識すると、かなりオペレーションの効率化につながりました。食材Aを炒めている間に、Aの余りを冷蔵庫に持っていって、食材Bを出してフライパンに投入して、Bの余りを冷蔵庫に戻したら、食器を持ってきて~、という一連の動作になります。

調理をしている間は、5秒から10秒くらいの作業の積み重ねです。効率的にこなすには、無駄をはぶくこと。そのためには、歩く距離を短くすることを考える。これが一番の秘訣です。

■二度手間、手戻りを防ぐ
一つの料理を作るのに、食材Aを切ってこれを炒めてからBを切る~、これが二度手間。切った後、包丁やまな板を洗うという動作があれば4度手間くらいになります。切るという同じ作業をしているなら、まとめてやったほうが時間短縮になります。

A、Bをまとめて切ろうと思っていても、Bを切るのを忘れてしまって、後で包丁とまな板を出して切る、これが手戻り。

二度手間と手戻りは似ているようで、少し違います。二度手間はあくまで、手順を決める時に起こる間違い。手戻りは、決定した手順を間違える失敗ということになります。

これらを防ぐのが、よいオペレーションといえます。

■安全優先
言うまでもなく、調理は衛生的に行わなければなりません。

例えばまな板の使い方。肉を切った後に野菜を切ると、包丁、まな板に菌が付着する危険性があります。その後野菜を切ると、その菌が付着します。加熱する野菜なら問題はないのですが、生で食べる場合は野菜を切ってから肉を切ります。

肉を先に切った方が時間短縮になるときも、野菜を先に切らなければならない。効率性を犠牲にしてでも、安全性を優先しなければならない場合があります。

オペレーションには、「時間より安全性が優先」されるのです。

■定型化しやすいこと
オペレーションについて書いてきましたが、個別の調理の作業手順について何か記したものがある訳ではありません。レシピ(料理の分量と作り方)を記したものはありますが、細かい手順についてはすべて頭の中にあるのです。

何回も作業を行うと自然と体が覚えてくるものです。理解しやすく、身につけやすいオペレーションにするためには、シンプルな形にしておくことです。間違えやすい作業手順より、理解しやすく確実に作業を行える手順を選ぶべきです・

また効率だけを求めても、失敗する危険がある時(*2)には、確実に作業できる方を選んだりすることもあります。

■トライ・アンド・エラー
オペレーションは常に試行錯誤。確定したと思った作業手順でも、時には変更してみることも大事です。通常はAを行った後にBを行う場合に、これを逆に作業してみたりします。思いがけなく、こちらの方が効率的にできたりする場合もあります。

調理器具や食器の配置を変えてみると、思わぬ好結果が生まれることもありますので、常に見直す姿勢が必要です。


それにしても、オペレーションは奥が深い。これからも、勉強、勉強の毎日です。



*1 専門的にはもっと難しいのですが、ひらたく言うとこうなります。

*2 例えば天ぷらそばを作る時に、天ぷらを揚げることとそばをゆでることを同時進行で行い、ぴったりのタイミングで盛り付けるようなこと。2人で行えば難しくはないのでしょうが、遊々の実力では一人で行うのはとても難しい。そばがのびる、天ぷらが揚がりすぎるというリスクが大きいので、天ぷらを揚げてからそばをゆでるようにしています。



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